ウルトラファインバブルのシャワーヘッドでポカポカ感を日々実感しているピチエコ( @pichieco)です。
シャワーヘッドの宣伝文句でよく耳にする「ウルトラファインバブル」「ファインバブル」とは?
シャワーヘッドや洗濯機に応用することで得られる「美容効果」「殺菌効果」が注目されていますが、本当の凄さはこれだけじゃない!
その理由は、国際標準化機構(ISO)で定義された背景を知ることで理解できます。
「ウルトラファインバブル」や「ファインバブル」の応用が、環境問題を含めたあらゆる分野の解決方法になる可能性を秘めています。
この記事でわかること、変わることは以下の通りです。
- ウルトラファインバブルの定義
- 定義されている理由
- ファインバブルの見方が変わる
ウルトラファインバブルの定義
ウルトラファインバブルは泡の直径が1μm未満のものを指すと世界全体の産業界標準化を司る国際標準化機構(ISO)で定義されています。
小さい単位については、馴染みが薄いかもしれませんが、とっても、かなり小さい泡のことです。
ファインバブル、マイクロバブルも国際標準化機構(ISO)で定められいます。
泡の種類 | 泡の直径 (μm) | 状態 |
---|---|---|
ファインバブル | 100以下 | 泡立ち |
マイクロバブル | 1~100 | 白濁 |
ウルトラファインバブル | 1未満 | 透明 |
ファインバブル産業会基本宣言|一般財団法人ファインバブル産業会
https://www.fbia.or.jp/basic-declaration
耳にする機会が増えるかも?!
ウルトラファインバブルの定義に関わるファインバブル産業会と国際標準化
少し難しい話になりますが、ウルトラファインバブルについて知るためには重要なポイントです。
国際標準化とは
国際標準化とは、世界で統一した基準のことであり、安心して便利に購入・利用するための目安となる基準になる場合があります。
身近な多くの「もの」や「こと」で国際標準化されています。
- コンセントとプラグ
- USB
- SIMカード
- 賞味期限
- 消費期限
国際標準に適合しているかを認証マークで簡単に確認でき、健全な産業の発展、消費者の安全を両立できる仕組みと言えます。
国際標準化の必要性
製品やサービスを生み出すためには、莫大な費用がかかりますが、開発したサービスが国際標準化されることにより、安定的な販売に繋がるだけでなく、次のサービスが展開しやすくなり、優位に立てる利点があります。
かつての日本製の携帯電話が国際競争に敗れたことを考えるとわかりやすいと思います。
今後は、電気自動車のプラグやブロックチェーンといったサービスの国際標準がどうなるか、注目されています。
ウルトラファインバブルの国際標準化と市場性
飲み物や呼吸による泡は、空気分が多いため、目視できますが、ウルトラファインバブルに近づく段階で白濁化、最終的には透明になります。
透明な泡を正確に計測する技術の進化とともに、ファインバブルやウルトラファイバブルの性質が明らかとなり、様々な分野で活用する動きが活発化しています。
成長著しい分野でファインバブルの発生・計測で高い技術力を誇り、多くの特許出願を行っている日本が国際標準化に取り組む必要性が高まり、産学官が連携する形で進められました。
ナノバブルではなくウルトラファインバブルである理由
マイクロの次なら「ナノ」なぜウルトラ?と思った方は少なくないはず。
すでに「ナノバブル」という商標登録製品が存在していることや「ナノリスク」を連想させる可能性などを踏まえて「ナノバブル」は不採用となりました。
代わりに、粒子(パーティクル)の既存の分類が「パーティクル→ファインパーティクル→ウルトラパーティクル」であったことなどを理由に「ウルトラファインバブル」が採用されました。
ファインバブル産業会
例えば「ミラブルのマイクロバブルトルネード」は、ファインバブル産業会が管理するファインバブルの制度規格に適合した第1号登録製品です。
ウルトラファインバブルの効果・性質
- 泡の電荷
- 泡内部の圧力上昇
- 泡の滞留長期化
産学官連携でファインバブル産業会が中心となって進められているファインバブル技術の具体的な効果を確認しましょう。
シャワーヘッドを見直す理由という小さな規模の話ではないことがわかります。
今後、日本が世界で躍進するキー分野になる可能性を秘めています。
ウルトラファインバブルの効果と応用分野として表でまとめています。
効果 | 性質(シャワーヘッドでの効果) | 応用分野 |
---|---|---|
洗浄効果 | ・泡(ジェット流)を吹き付けることによる表面張力低下 ・電荷で汚れを吸着 (→毛穴の奥深くの汚れを除去) | 水質改善 半導体洗浄 |
殺菌効果 | フリーラジカル、オゾンによる殺菌効果 (→ウイルスや菌の除去) | 水質改善 医療福祉 農業 食品衛生 |
脱臭効果 | 電荷でにおい成分を吸着 (→臭いの原因を除去) | 水質改善 畜産 |
生体活性効果 | 細胞内部まで浸透 (→肌の水分量の改善、温度の上昇) | 水質改善 |
洗浄効果
ファインバブルは、マイナス電子を帯びる電荷により泡同士が結合することなく、プラス電子を帯びる様々な汚れを吸着する効果が期待できます。
ウルトラファインバブルを発生させるシャワーヘッドの洗浄力を高める要因の1つです。
殺菌効果
食品の添加物として利用されるオゾンは強力な酸化作用によるウイルスや殺菌の除去に活用されます。
バブリングや電気分解によって水中の酸素を利用してオゾン水にすることで、殺菌効果を得られます。
オゾンの不安定な性質により水と酸素に分解されることで、塩素のように残留塩素によるデメリットがないため、塩素の代わりの水処理方法として採用する国が増加しています。
塩素の性質を利用することなく、オゾンが直接ウイルスや菌を破壊するメリットも見込めます。
塩素の影響については塩素の影響は?塩素除去シャワーヘッドの美容効果をまずレンタルサービスで確かめよう!で詳しく紹介しています。
2020年9月25日にリファファインバブルSなどの「Refa」や「SIXPAD」ブランドを手がけるMTGから発売された高機能除菌スプレーe-3Xの高機能除菌液を発生しますが、その1つがオゾン水です。
オゾン水を含む高機能除菌液をウルトラファインバブル化することで、除菌効果を高める仕様になっており、典型的な応用例です。
生体活性効果
目に見えないほどの微細な泡であることは、肌や細胞の奥深くまで浸透できることを意味します。
ポカポカ感を実感できた要因の1つに生体活性効果が影響していると考えられます。
また、ウルトラファインバブルシャワーヘッドのいくつかで紹介されている肌水分量や肌表面温度の変化に関わる要素でもあります。
肌奥深くまで浸透する性質はシャワーヘッドのみならず、ミラブルケアと呼ばれる化粧水をウルトラファインバブル化する美容機器に利用されています。
詳しくは【ミラブルケアレビュー】ミラブルケアに最適な化粧水は?追加パーツとは?で紹介しています。
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ウルトラファインバブルの応用分野
すでにお伝えした通り、ウルトラファインバブルを含むファインバブルの効果、性質は多くの産業での活用が期待されています。
もちろんシャワーヘッドも例外ではなく、より一層の技術革新が期待されます。応用分野の一例は以下の通りです。
- 食品
- 薬品
- 化粧品
- 植物
- 半導体
- 原子力
- 医療
- 漁業
起源はカキ養殖
カキ養殖の水質悪化による被害の軽減のため考案されたのが、旋回式微細気泡発生装置と呼ばれる遠心分離を利用して泡を発生させる技術です。
初期のファインバブルを活用した一例として知られています。
半導体洗浄
半導体は、電子部品になくてはならないものですが、年々微細化が進んでおり、処理性能が向上しています。
微細化に伴い、微細なゴミを取り除く技術が必要となり、ファインバブルを活用する動きがあります。
スプレーによる手軽な利用
ファインバブルの高い洗浄効果を手軽に利用できないかと、スプレーによる応用が研究されています。
ミラブルプラスのミスト機能で洗顔するのが日課になっているピチエコ( YouTubeでも紹介中)です。 2020年8月21日に発売されたReFaのシャワーヘッドリファファインバブルSにもミスト機能が搭載されたことから[…]
医療における殺菌
従来の熱殺菌、過酸化水素による殺菌の場合、熱の影響や過酸化水素が残ってしまう問題があります。
ファインバブルやオゾンが医療現場や医療機器の新たな殺菌方法として注目されています。
食品衛生管理
次亜塩素酸や熱、塩素による食品や体への影響を軽減することができます。
カット野菜の生産工程の衛生管理方法として応用されている事例があります。
汚泥の削減
排水処理で発生する汚泥などの油脂を分解することにより、汚泥を処理するコストを低減することができます。
全国展開することで兆単位の処理コストが低減できると試算されています。
まとめ:シャワーヘッドを見直すだけでは不十分かも?ファインバブル産業の発展を注目したい!
国を挙げて「ウルトラファインバブル」や「ファインバブル」の国際標準化に取り組まれた背景や具体的な性質を知ることで、それらが単にシャワーヘッドだけにとどまらないことが理解できた思います。
それほど凄い技術を身近に体感できるのがシャワーヘッドであるとも言えます。
シャワーヘッドを変え、多くの産業の根底を変える可能性がある「ウルトラファインバブル」「ファインバブル」の今後の発展に注目していきましょう!!
ファインバブル基盤技術研究開発事業 事後評価報告書 経済産業省第 28 回産業構造審議会 産業技術環境分科会 研究開発・イノベーション小委員会評価ワーキンググループ資料(2016.1)
https://www.meti.go.jp/policy/tech_evaluation/e00/03/h27/543.pdf